インプラントと入れ歯(義歯)やブリッジとの違い
歯を失った時の選択肢として大きく分けて「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」があります。
それぞれの治療法の特徴を比べてみました。
入れ歯(義歯)
歯が残っている場合は部分床義歯(部分入れ歯)といい、クラスプという金属などのバネを健康な歯にかけ使用します。
また、上顎または下顎のすべての歯を失った場合は総義歯(総入れ歯)といい、歯ぐき全体に覆う形になります。
お口の中に違和感があり、食事の際にものが挟まったり噛みにくい等の問題や口臭が気になる方もいます。また、隣接する歯に負担があるため健康な歯にダメージを与える可能性があります。約5年後に同じ入れ歯を使用できる可能性は約40%~50%です。
また、上顎または下顎のすべての歯を失った場合は総義歯(総入れ歯)といい、歯ぐき全体に覆う形になります。
お口の中に違和感があり、食事の際にものが挟まったり噛みにくい等の問題や口臭が気になる方もいます。また、隣接する歯に負担があるため健康な歯にダメージを与える可能性があります。約5年後に同じ入れ歯を使用できる可能性は約40%~50%です。
- ブリッジのように健康な歯を削る必要がありません
- 比較的短い治療期間となります
- 外科処置の必要がありません
- 健康保険が適応なので経済的です
- いつでも取り外しが可能です
- 短期間であれば、咀嚼機能をある程度回復できます
- クラスプ(金属のバネ)が見えて見た目があまりよくありません
- クラスプ(金属のバネ)をかけた歯に負担が増加し新たに歯を失う危険性が増します
- 噛む力が極端に弱くなります(健康な歯に比べて最高で30%程度)
- 長期間安定した、かみ合わせ維持することが難しくなります
- 長期間の使用により顎の骨が次第に失われていきます
- 顎の骨が失われると義歯が安定しにくくなります
- 違和感を感じることがあります(歯ぐきの痛み、しゃべりにくさ)
- 適合が悪くなった場合は調整や再製の必要があります
- 食べ物の味や温度を感じにくくなります
ブリッジ
両側の歯を削って支柱にし、そこに橋をかけて歯があるような格好で噛める様にする方法です。健全な歯を削らなければならない上に、支えになる歯には大きな負担がかかります。約10年後に30%~50%が再治療となるといわれています。
- 固定式なので違和感が少なくて済みます
- 天然歯と変わらない見栄えや噛み心地を得ることができます
- 健康保険が適応なので経済的です(ただしセラミックのブリッジは健康保険適応外です)
- 比較的短い治療期間となります
- 外科処置の必要がありません
- 土台となる両隣の歯がしっかりしていないとできません
- 土台となる両隣の健康な歯を削る必要があります
- 土台の歯への負担が増加してしまい新たに歯を失う危険性が増します
- 失った歯が多い場合や部位によってはブリッジが適応外のことがあります
- 歯を失った部分の骨がやせていきます
インプラント
違和感がなく、食事も健康な歯のように楽しむことができます。また、他の治療法に比べてあごの骨がやせていく事がありません。お手入れをきちんとする事で20年以上もきれいに保っている方もいます。
しかし、保険が適用にならないため他の治療よりかなり費用がかかります。約10年で90%~95%残ると言われています。
しかし、保険が適用にならないため他の治療よりかなり費用がかかります。約10年で90%~95%残ると言われています。
- メインテナンスをきちんと行えば、天然歯と同じような噛み合わせの安定性を長期間保つことができます
- 天然歯と同じような見栄えや機能性を得ることができます
- ブリッジや義歯(入れ歯)のように周りの健康な歯に負担をかけることがなく犠牲になりません
- 異物感や違和感がほとんどありません
- 失った歯の数が多い場合にも適応し咀嚼能力を回復することができます
- 顎の骨がやせてなくなるのを防ぐことができます
- 義歯(入れ歯)のように歯ぐきの痛みや、おしゃべりや食事中に外れるなどの心配がありません
- 健康保険が適応されないため高額になります
(一般的に1本あたり30万〜50万円程度 ※医療費控除は受けられます) - ブリッジや義歯(入れ歯)治療と比べると、治療期間が長くなります
- 外科的な手術を受ける必要があります
- 全身的な疾患(重症心臓病・糖尿病・高血圧症・骨粗しょう症)の病状によってはインプラント治療を受けられない場合があります
- ブラッシングなど家庭内や医院での定期メインテナンスが必要です
- 天然歯と同様メインテナンスをきちんと行わないとインプラント周囲炎(インプラントの歯周病)になることもあります
比較表
保険適応
入れ歯 | あり |
ブリッジ | あり |
インプラント | なし |
メリット
入れ歯 | ・治療が短期間 ・保険内で治療が可能 ・通常の材質なら治療費が安い |
ブリッジ | ・治療が短期間 ・保険内で治療が可能 ・固定されている為、違和感がほとんどない |
インプラント | ・自分の歯と同じような感覚で噛むことができる ・周囲の歯に負担をかけない ・天然歯(自分の歯)と見た目が同じで美しい |
デメリット
入れ歯 | ・食べ物が入れ歯に挟まりやすい ・噛み心地が悪く、硬い物が食べにくい ・留め金が見えるので見た目に良くない |
ブリッジ | ・両隣の歯に負担がかかる ・健康な歯も削らなければならない ・ブリッジと歯肉の間に食べ物が詰まりやすい |
インプラント | ・治療期間に時間がかかる ・手術が必要になる ・他の治療法に比べて費用がかかる |
インプラントオーバーデンチャー
「インプラントオーバーデンチャー」とは、インプラントを用いた義歯(入れ歯)です。
すべての歯を失った場合に受けられ、顎の骨に2〜4本のインプラントを埋め込み、取り外し式の総入れ歯をつける治療法です。義歯(入れ歯)が動く・外れやすい・しっかり噛めない・痛みがでやすい方や、インプラントをしたいが費用的に少なく抑えたい場合に適しています。
また、インプラントをしている方が将来的に介護の必要になった場合でも、上部構造(インプラント上の人工の冠物)を外し、オーバーデンチャーの形に交換することで介護者も口腔内の清掃が容易になります。
すべての歯を失った場合に受けられ、顎の骨に2〜4本のインプラントを埋め込み、取り外し式の総入れ歯をつける治療法です。義歯(入れ歯)が動く・外れやすい・しっかり噛めない・痛みがでやすい方や、インプラントをしたいが費用的に少なく抑えたい場合に適しています。
また、インプラントをしている方が将来的に介護の必要になった場合でも、上部構造(インプラント上の人工の冠物)を外し、オーバーデンチャーの形に交換することで介護者も口腔内の清掃が容易になります。
- メインテナンスをきちんと行えば、天然歯と同じような噛み合わせの安定性を長期間保つことができます
- 天然歯と同じような見栄えや機能性を得ることができます
- 顎の骨がやせてなくなるのを防ぐことができます
- 義歯(入れ歯)と異なりインプラントでしっかりと固定されるため、ズレることがほとんどなく食事やおしゃべり時にも不快感がなくストレスを感じにくくなります
- 通常のインプラント治療と比較すると使用するインプラントの本数が少ないため、費用が抑えられ、外科手術の範囲も最小限となるため、身体への負担が少なくなります
- 患者様自身が自由に取り外しできるためメインテナンスが非常に簡便です
- 将来介護が必要になった場合でも通常のインプラントに比べて清掃が簡便です
- 健康保険が適応されないため高額になります(ただし医療費控除は受けられます)
- 外科的な手術を受ける必要があり、通常の義歯(入れ歯)治療と比べると費用と身体の負担が大きくなります
- 全身的な疾患(重症心臓病・糖尿病・高血圧症・骨粗しょう症)の病状によってはインプラント治療を受けられない場合があります
- インプラントと義歯(入れ歯)それぞれのメインテナンスを家庭内や歯科医院で行う必要があります
- 天然歯と同様メインテナンスをきちんと行わないとインプラント周囲炎(インプラントの歯周病)になることもあります
- 少ない本数のインプラントで支えるため、1本でもトラブルが起こると義歯(入れ歯)を使えず、噛みづらくなる可能性があります